LVS (Linux Virtual Server)を使ってみました。
LVSは受け取ったパケットを別のホストに転送して処理させることで、負荷分散や可用性の高い運用ができます。
具体的には、ホストごとに重み付けをして転送することによって負荷分散ができます。
ホストを追加したり、不具合の起きたホストを削除したりするのもできます。
しかもユーザーから見ると、なにも変化がないんですね。これは素敵。
僕のように、少ないIPアドレスで運用している場合には、ひとつのIPでLVSを動かして、実際の処理はサービスごとに別のホストで行うって運用もできます。
Xenと組み合わせて使うと、サービスをホスト間で簡単に移動、追加、削除ができるのでとても便利。使わない手はないですね。
で、利用するには、ipvsadmが必要です。
LVS自体はカーネルに組み込まれていますが、それを操作するツールをインストールしないといけないわけです。
aptitude install ipvsadm
でインストールします。
実はこのipvsadm、iptablesと使い方がよく似ています。
あとで書いてますが、設定する場所も同じです。
ipvsadm -L でリストを表示するのも一緒。
他に便利なのものは、
ipvsadm -L -n --stats で、転送したパケットなどが見れます。
で、とりあえず設定例
まず、/etc/sysctl.conf を変更します。
net.ipv4.conf.default.forwarding=1
のコメントを外し、sysctl -p を実行します。
これは今回の転送方法がNAT型だから必要です。
次に、
------------------------------
#!/bin/sh
vip='50.106.42.193'
localnet='192.168.0.0/16'
bind1='192.168.0.5'
bind2='192.168.0.6'
iptables -F
iptables -t nat -F
iptables -X
iptables -P FORWARD DROP
iptables -A FORWARD -i eth0 -o eth1 -s $localnet -j ACCEPT
iptables -A FORWARD -i eth1 -o eth0 -d $bind1 --protocol tcp --dport 53 -j ACCEPT
iptables -A FORWARD -i eth1 -o eth0 -d $bind1 --protocol udp --dport 53 -j ACCEPT
iptables -A FORWARD -i eth1 -o eth0 -d $bind2 --protocol tcp --dport 53 -j ACCEPT
iptables -A FORWARD -i eth1 -o eth0 -d $bind2 --protocol udp --dport 53 -j ACCEPT
iptables -A FORWARD -m state --state ESTABLISHED,RELATED -j ACCEPT
iptables -t nat -A POSTROUTING -s $localnet -d ! $localnet -j SNAT --to-source $vip
ipvsadm -C
ipvsadm -A -t $vip:53
ipvsadm -a -t $vip:53 -r $bind1 -m
ipvsadm -a -t $vip:53 -r $bind2 -m
ipvsadm -A -u $vip:53
ipvsadm -a -u $vip:53 -r $bind1 -m
ipvsadm -a -u $vip:53 -r $bind2 -m
-------------------------------------
これを、/etc/network/if-pre-up.d/ の中に置きます。
もともとの設定があればマージしてください。
名前は適当で構いません。ただし実行可能にしておくこと。
そうすればインターフェイスがupされる時に、テーブルが有効になります。
設定中は直接実行することで、調整も可能です。
今回は3つある転送の方法のうち、NATを利用しました。
DRやTunnelの場合はARPテーブルを操作する必要があるので、また今度。
その代わりに、net.ipv4.conf.default.forwarding=1 の設定が必要でした。
iptablesで普通にNATの設定をした後、実際に処理を行うホストへの転送を許可します。
実は、このNATの設定はLVSには必要ありません。
でも、転送先のホストのデフォルトゲートウェイをこのホストにする必要があるので、普通の通信を行うのに必要です。
ipvsadmでは-Aで転送を行うサービスを指定した後に、-aで転送先を指定します。
これで、2台のホストにDNSの処理が分散されています。
これは相当、簡単で便利です。
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